SEO対策とは何か?
SEO(Search Engine Optimization)対策とは日本語に訳すと「検索エンジン最適化」であり、検索エンジンの検索結果上で、自社のWEBサイトを上位に表示するための技術のことです。
検索エンジンの国内シェアは1位がGoogle、2位がYahoo!となっていますが、Yahoo!の検索エンジンにはGoogleのアルゴリズムが使用されていますので、通常SEO対策と言えば、Googleの検索エンジン対策が中心となります。
2017年の「検索順位別のクリック率」のデータによると、1位が約21%、2位が約11%、3位が8%と徐々に減少し、4位以下は5%未満のクリック率となっており、ビジネスにおけるSEO対策の重要性がお分かりになるかと思います。
SEO対策の大前提
まず最初に理解しておきたいのが、検索エンジンのGoogleにとって、検索結果表示は商品であるということです。
もしあなたが何かを調べたい時に、必要な情報が掲載されていないWEBサイトが上位に表示される検索エンジンを使いたいと思いますか?恐らく、別の検索エンジンで調べるようになるでしょう。
当然、Googleとしては自社の検索エンジンを多くのユーザーに使ってもらえるように、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを含むWEBサイトを検索上位に表示しようと考えます。
つまり一番大事なSEO対策とは、ユーザーが必要とする情報や自社独自の情報を地道に配信し続けることなのです。
ちなみに、2000年代のGoogleはサイトの評価基準に「被リンクの数」を重要な要素としていました。「被リンク」とは外部サイトから自社サイトに貼られているリンクのことです。
しかし、SEO業者が「被リンクの数」を販売して検索順位を上げる行為が横行し、粗悪なサイトが検索結果の上位に表示されたため、2012年頃にそのようなサイトを検索結果から抹消するという厳しいペナルティが課されました。
現在のGoogleでは、自然言語処理に優れ、サイト内の情報を正確に認識できるAIを搭載しており、ユーザーにとって良質なコンテンツを含むサイトを上位表示するように改善されています。
よって、まずは小手先のSEO対策を行うという考え方を捨て、とにかくユーザー目線に立った、役に立つコンテンツを地道に配信するという姿勢、自社サイトを育てていくという認識が大事になります。
SEO対策に有効なコンテンツとは
ユーザー目線に立った上で、どのような情報・コンテンツが喜ばれるか考えてみましょう。
- 専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)が高い情報
- 文章量が適切で、図表や画像、動画を用いて分かりやすいコンテンツ
- 独自性があり、そのサイトだけで疑問を解決できる内容
- 訪問者のページ滞在時間が長く、また直帰せずに他のページも回覧したくなるWEBサイト
ちなみに、過去のSEO対策で横行した「被リンク数」の販売については、悪質なためGoogleからマイナス評価を受けてしまうものの、自然にリンクが張られた場合は今でもプラスに評価されます。
結局はSEO対策とは一朝一夕で成せるものではなく、繰り返しになりますがユーザーにとって良質なコンテンツを配信し、自社サイトのドメインパワーを強力にしていくことが王道であり、一番確実な方法です。
また、ページが検索順位に適正に反映されるまでの月数は早くても3カ月程度は必要と考えておきましょう。サイトの立上げからは1年ほどで順位が安定すると考え、長い目で自社サイトを育てていく覚悟が必要です。
SEO対策に必須な無料ツール
長期的な視野でWEBサイトを育てていく必要があるものの、我流で闇雲にコンテンツを配信していては、いつまでたっても検索上位に表示されることはありません。
自社サイトがどのようなキーワードで検索され、またどのようなユーザーが多く訪問し、どのページが人気または不人気で、どのくらいの時間滞在しているのか、などなど確認すべき事項はたくさんあります。
これらの情報を分析するためのツールとして、Googleが提供している無料のサービスを利用することをお勧めします。利用にはGoogleアカウントが必要になりますので、お持ちでない方はまずはアカウントを作成しましょう。
Google Search Console(サーチ・コンソール)
サーチコンソールはWEBサイトに訪問する“前”の段階を分析するツールです。Googleに自社サイトの構造を伝え、効率よくGoogleの検索結果表示を促したり、どのようなキーワードで検索に引っ掛かり、そのキーワードで検索した際に何位に表示されているかを知ることができます。
また、Googleから何かしらのペナルティを課されたり、エラーが発生した場合はその通知を受け取り、改善に役立てることができます。
仮にこれらを把握せずに放置すると、最悪の場合は検索結果に表示されず、ビジネスチャンスを失うと言ってよいでしょう。
Google Analytics(アナリティクス)
アナリティクスはWEBサイトに訪問した“後”の段階を分析するツールです。どのようなユーザーが、どこからサイトにたどり着き、どこのページをどの程度見ているのか、という内容を分析することができます。
Googleの検索エンジンは各サイトのコンテンツ内容をチェックするだけではなく、ページごとの離脱率や直帰率、滞在時間といった訪問者の動きを観察することで、有益なサイトか把握していると言われています。
アナリティクスでこれらを分析することで、ピンポイントで滞在時間の短いページを改善したり、離脱率・直帰率をもとにサイトの構造や階層を改善することができます。
キーワードによるSEO対策
SEO対策を行う上で、キーワード選定は重要な作業となります。どのようなキーワードで検索された際に、自社サイトを上位に表示するのかを決める必要があります。
自社サイトの名前を直接検索してくれるような顕在顧客であれば問題ありませんが、WEBサイトの役割はまだ自社を知らない潜在的な顧客を獲得することも重要です。
つまり、検索キーワードは潜在顧客が自社サイトをアクセスする唯一の手掛かりなのです。この際に中小企業にとって重要になるのが、スモール(ロングテール)キーワードの設定です。
まず、キーワードには以下の3つの種類があります。
- ビッグキーワード (例)カフェ
- ミドルキーワード (例)熊本
- スモールキーワード (例)抹茶
例えば、ビッグキーワードの「カフェ」で検索結果の上位に表示させるのは、現状不可能と言ってよいでしょう。しかし、これにミドルキーワードである「熊本」を加えれば、上位表示の可能性はグッと高まります。
更に、もし抹茶を売りにしているカフェであればスモールキーワードとして「抹茶」を設定すると、検索する人数は少ないものの、検索した人の自社へのコンバージョン率は格段にあがっていきます。
このように、スモールキーワードでコンバージョン率の高い層を確実に拾いながら、ミドルキーワードで上位表示を狙っていくのが良い戦略と言えるでしょう。
これらのキーワードごとの検索人口のボリュームを調べるツールも一部有料ですがキーワードプランナーや、そもそものキーワード抽出を行うツールを使うことで効率よく行うことができます。
まとめ
最後に、今回の内容を完結に箇条書きでまとめます。
- 検索結果の表示順による流入効果の差は大きく、潜在顧客を獲得するためにSEO対策が重要。
- 小手先のSEO対策は逆効果であり、ユーザー目線に立った地道な有料コンテンツ作成が必要。
- 適正な表示順の反映には時間が必要なため、長い目で自社サイトを育てていく覚悟が必要。
- Googleの無料外部ツールとしてサーチコンソールとアナリティクスは必須である。
- 中小企業はスモールキーワードを重視してSEO対策を行う方が効率的である。